ジュニアNISAって口座開設したほうがいいの?ジュニアNISAの特徴とメリット・デメリット

2016年の4月から、こども版のNISA(ジュニアNISA)が始まりました。
ジュニアNISAは、未成年用の非課税口座になります。

成人版NISAについてはこちらの記事にまとめています。

いまさら聞けないNISA(ニーサ)のこと。投資初心者はNISA口座を資産運用に120%有効活用しよう

有効に活用していきたいジュニアNISAですが、大人版NISAとは大きく異なります。

ジュニアNISAを後悔なく活用していくためには、どこに注意が必要なのでしょうか。
そもそもジュニアNISAは口座開設しておいたほうが良いのでしょうか。

目次

ジュニア版NISAの特徴

ジュニアNISAの特徴をメリット・デメリットを比較しながらまとめていきます。

上場株式・株式投資信託等の配当金・分配金・売買益が非課税に

成人版NISAと同じように、配当金・分配金・譲渡益に対して全額非課税になります。
(信用取引、公社債投資信託、債券などは対象ではありません。)

これは大きなメリットになりますよね。
これまでもご自身で子ども用に資産運用をしていた方なら、両手を挙げてよろこべるポイントです。

ジュニアNISA口座の年間取引枠は80万円

ジュニアNISA口座で購入できる金額は、年間80万円以内となっています。
成人版NISAは年間120万円なので、年間取引枠の金額が異なります。

また、大人版NISAと同じように、売却しても一度使った取引枠は再利用はできず、使用できなかった取引枠を翌年に繰り越すこともできません。

ジュニアNISAも1人1口座だけど変更不可

ジュニアNISAも、すべての金融機関において1人1口座になっています。
ここは成人版NISAと同じです。

しかし、成人版NISAは金融機関の変更ができますが、ジュニアNISAの場合、金融機関の変更はできないので注意しましょう。

1度作ってしまったら口座の変更はできません。
ジュニアNISAは長期に安心してお金を運用していけるような、信頼できる金融機関を選ぶようにしたいところです。

ジュニアNISAの口座開設ができるのは19歳までの未成年

ジュニアNISA口座を作れるのは、>開設する年の元旦(1月1日)時点で、満0〜19歳の日本の居住者となっています。

運用については、子ども本人がするのではなく、原則として親権者等が代理で運用することになっています。
親の管理でしっかり運用していきましょう。

ジュニアNISAのお金はだれのお金?

ジュニアNISAの場合、お金は「子ども名義のお金」だということを知っておきましょう。

どういうことかというと、すでに子に贈与されたお金を親が代わりに運用するということです。

名目上親のお金である場合は、ジュニアNISAで運用することはできません。
まずは、子どもに贈与する(といっても、手続きは必要なく、親から子へ贈与したとみなす)ことが必要です。

すでに贈与しているのですから、出金できる年齢になったとしても、そのお金を親の都合で好きなように使うことはできません。

あくまでも子どもの教育資金や就職準備などのように、子どものためのお金という位置付けです。

実際にどう使うかは他人にはわからないでしょうけれど、名目上は子に贈与済みのお金である、という認識でいましょう。

ジュニアNISAは子どもの年齢にポイントあり

ジュニアNISAでは、子どもの年齢に応じて制限があったり、とるべき対処が違ったりするので、しっかりと把握しておきたいところです。

ジュニアNISAの非課税期間は?

非課税期間は5年間と、ジュニアNISAも成人版NISAと同じです。
そして、ロールオーバーもできます。

ロールオーバーについては、こちらにまとめています。
いまさら聞けないNISA(ニーサ)のこと。投資初心者はNISA口座を資産運用に120%有効活用しよう

しかし、NISA制度自体の口座開設ができるのは、2023年までとなっています。

ジュニアNISAも同じで、口座開設は2023年まで。
2024年以降は、口座内に株や投資信託など金融資産を保有することはできても、新規で買い付けをすることはできません。

うーん、いまは2016年なので、2023年までは7年しかないわけですから、すでに大きくなっている子ども名義で開設する意義はあるのでしょうか?

ジュニアNISA期間中に20歳超えたらどうなるの?

すでに子どもが大きく、ジュニアNISAを開設しても、途中で20歳を超えてしまうこともありますよね。

その場合は、非課税期間5年を終えたあと、成人版NISAの年間取引枠120万円を上限に、成人版NISA口座に移行できるようになっています。

特別な手続きも必要なく、ジュニアNISAのある口座でNISA口座を利用することができます。

NISAのメリットをそのまま継続できるので、お子さんが20歳を超えた場合はNISA口座に移行し、非課税のメリットは最大限受け取るようにしたいですね。

教育資金の準備には間に合わなくても、子ども自身が将来のために資産形成をする必要があることを考える、良いきっかけになりそうです。

では、子どもがまだまだ小さい場合、教育資金の準備としてジュニアNISAを活用したいときはどうなるのでしょうか。

ジュニアNISAのお金は途中で引き出せません!

ジュニアNISAで購入した株や投資信託なども、自由に売買することが可能です。
値上がり益が出たら売却し、資産を増やすことができます。

しかし、売却して利益がでたからといっても、

資金を自由に口座から出金したり、一般口座・特定口座に移管することができない

というようになっています。
ジュニアNISAの口座内に留めておく必要があるんです。

資金が移動できるようになるのは、子どもが3月31日時点で18歳である年の前年の12月末(高校3年生の12月末)からです。

子どもが小さいと、長期間口座から資金移動できなくなるので、ちょっと学費が足らない・・・となっても、お金を出すことはできません。

いや、正確にいえば出すことはできますが、条件があります。

それでも出金しなければいけなくなったら

まんがいち、子どもは18歳未満だけど、必要に駆られてお金を出すことになってしまったら、以下のようなペナルティがあります。

ジュニアNISA口座は解約
これまで非課税だった取引に関しても、払い出し時に課税される

これはジュニアNISA自体が、子どもの教育資金のことを考えて設定されたものであるので、親の資産運用目的のために利用されるのを防ぐ意味もあります。

一度お金を入金すると子どもが18歳になるまでは出金する事ができないので、入金は計画的に行う必要があります。

年齢別ジュニアNISAの移行図

ジュニアNISAを図にまとめると以下のようになります。

ジュニアNISAイメージ図

では、子どもの年齢に応じたシミュレーションをしてみましょう。

9歳の場合です。

9歳のジュニアNISA

ちょうどよくNISA期間とともに運用することができそうです。
このくらいの年齢であれば、時期的にも運用に向いているように感じますね。

次に、2歳の場合。

2歳のジュニアNISA

NISA期間も長期間運用できるものの、資金を固定されてしまう期間が長すぎますね。
運用期間よりも、固定されてしまう期間のほうが長いです。

ジュニアNISAは開設しておくべきなの?

非課税で長期間運用ができるという魅力があるジュニアNISAですが、実際に利用するとなると、子どもの年齢によっては資金が固定される期間が長くなります。

わたし自身は、開設するメリットは限りなく「ない」、と厳しい目で見ています。

口座開設をおすすめできる子どもの年齢

たとえば、前述したように、すでにお子さんの年齢が15歳以上で、NISA口座への移行を見据えていく場合は、ジュニアNISAを開設してもいいでしょう。

また、子どもが8歳以上であれば、資金が長期間固定されないので、こちらも口座開設を検討してもいいと思います。

しかし、子どもが5歳未満の場合は、資金が固定される期間のほうが長くなり、自由度が圧倒的に下がってしまうのでおすすめできません。

メリットが薄すぎるので、ジュニアNISAではなく、学資保険や貯金をしたほうが良いです。

ジュニアNISAといえど、投資です

必ず値上がり益が狙えるものであれば、それでも運用するメリットはありそうですが、ジュニアNISAは、あくまでも投資です。
元本割れする可能性もありますよね。

教育資金として堅実に積み立てていきたいのであれば、積極的にジュニアNISAで運用する必然性はありません。

どうしても投資を取り入れて運用していきたいというのであれば、セゾン投信などのインデックス積立などで運用することをおすすめします。

値上がり益に課税はされるものの、資金移動の制限などもなく長期投資に向いているバランスのとれた資産運用方法です。

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