ずばり!
頭金なんて払わなくたって、家は買えます!
……と、ここだけ書くと、かなり疑問を感じるかたも多いかもしれません。
まえもって言っておきますが、もちろん、貯金がなくても家が買えるよ! なんていうことは言いません。
住宅購入時には、やはり、お金は必要です。
頭金を準備する理由の1つとして、月々の住宅ローンの負担を軽減させるためという理由があると思います。
頭金が多ければ多いほど、住宅ローンの返済負担は軽減します。
実際に計算してみるとよくわかります。
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住宅ローンを比較する。
3,000万円のローンを組んだ時の金利と、頭金600万円を入れて、2,400万円のローンを組んだ時の金利差を計算してみます。
諸費用や保証料といったお金は抜きで考えます。
そして、金利は単純に2%で、35年ローン/ボーナス払いなしとします。
頭金なしで3,000万円の借り入れ
総返済額:4,174万円/金利額:1,174万円
頭金600万円で2,400万円の借り入れ
総返済額:3,340万円/金利額:940万円
総返済額だけを見ると、頭金をいれたほうが有利なように見えます。
しかし、頭金600万円を入れた場合、それを足さないと意味がありません。
ですので、実際の総額は、3,940万円となります。
4,174万円-3,940万円=234万円
頭金を入れたときと、入れないときの差は234万円。
この数字をみて、あなたはどう感じたでしょうか。
○参考サイト
住宅ローンシミュレーション
繰り上げ返済シミュレーション
返済額に無理がないなら、現金をストックしておこう!
次に、頭金ゼロと、頭金600万円を比較したときの毎月の返済額を比較します。
頭金0円:10万円/月
頭金600万円:8万円/月
600万円を入れたわりに、月々の返済は2万円の差。
毎月の差が2万円は大きいとは思うのですが・・・
これを見て、どう感じるでしょうか。
わたし自身は、月10万円の返済に無理を感じないのだとしたら・・・
600万円は、頭金としていれずに、現金としてストックしておこう。
……という考え持ってしまいます。
600万円って、かなりの金額です。
頭金に600万円使ってあと、また600万円を貯められる日は、いつ来るのでしょうか?
差額の2万円をコツコツと貯めたとしても、600万円まで25年もかかってしまいます。
住宅ローンの返済を優先することになるので、600万円を再び貯めることはむずかしくなるでしょう。
そこで、金利軽減のために600万円を使うよりも、現金を手元に残しておくメリットにも目を向けてみましょう。
現金としてもっておくメリット
なにかあっても生活を維持できる。
まずは、「生活防衛資金」になります。
家族にまんがいちがあったり、パートナーが離職して収入が途絶えてしまったときも、当面の生活には困ることはありません。
600万円あれば、住宅ローンを返済しながらしばらく暮らすことができます。
幼稚園代は余裕でペイできる!
お子さんがいらっしゃる方は、「教育費の準備」はできていますか?
大学資金にばかり目がいきがちですが、すぐに必要となるのは、幼稚園や保育園の月謝です。
幼稚園代っていくらかかるの? 2人目の私立幼稚園で掛かった費用を公開します
長女の通った私立幼稚園は、平均すると毎月27,000円かかっていました。
600万円あれば、3年間の幼稚園代にも悩まなくて済みますね!
余計な生命保険を掛けなくて済む。
「生命保険の見直し」もいいかもしれません。
600万円があれば、生命保険の保障をさげて保険料を安くすることもできます。
そうなると、月々の固定費がさがるわけですから、節約効果も期待できます。
30代夫婦と子ども2人いる家庭の生命保険の選び方。必要な保障額はどれくらい?
修繕費として残しておくことも。
住宅は買って終わりではありません。
故障をすることもあるでしょうし、屋根や外壁などの修繕費用も必要になってきます。
600万円あれば、リフォームや大型修繕にもしっかりと備えておくことができます。
また、固定資産税も必要なので、そのために残しておくという選択肢も。
返済がきつくなってきたら・・・
人生はいつも順調というわけではありません。
月10万円のローン返済がきつくなってきたときには、600万円を繰り上げ返済に使ってしまうこともできます。
頭金として入れるのも、あとから繰り上げ返済をするのも、どちらも返済額を軽減する方法です。
もちろん、繰り上げ返済をしたタイミングで、結果が異なってくるのは確かですが、現金をもっていれば「繰り上げ返済をして住宅ローンを軽減するすることもできる!」ということが重要なのではないかと思います。
現金は大切に!
ここでいちばん伝えたいことは、
頭金という名目で、何百万円も突っ込む明確な理由はなんだろう?
ということなんです。
返済額を抑えるためだけに、使ってもいいのだろうか?
いま、頭金を多額にいれて、今後の生活に影響しないだろうか?
家を購入したあとも、同じようにまた600万円貯められるだろうか?
そういう不安が少しでもあるのでしたら、現金としてもっておくことは決して悪いことじゃありません。
むしろ、
現金でもっているからこそ、選択する自由と精神的な余裕が持てる。
ということなんです。
ただし、貯金はしっかりしておこう!
最初にも書きましたが、頭金を払わずに家を買おう!ってすすめているわけでもなく、まして、貯金がゼロでも家が買えるよ!と、あおっているわけでもありません。
貯金ができていない人は、住宅を購入しないほうが無難です。
現実的な話をすると、住宅ローンは信用でお金を借りる方法です。
審査の結果、「頭金をいくらかいれてほしい。」といわれる場合もあるからです。
頭金ではなくても、手付金として100万円単位でお金が必要になることもあります。
お金がないと家は買えません。
こんなはずじゃなかった!とならないように、貯金はしっかりとしておきましょう。
わが家は、お金を手元に残したかったので頭金はいれませんでしたが、当時、貯金は700万円以上ありました。
中古マンションをメインで探し、良い中古物件とのご縁があり1,150万円の物件を購入。
手付金100万円を準備し、諸費用や火災保険なども一括で支払いました。
これは、希望通りの買い方です。
家計を圧迫することなく、貯金もほとんど減らさずに済みました。
また、フラット35で借り入れているので、将来にわたって金利変動リスクにさらされることもありません。
1度、住宅ローンを借り換えています。
住宅ローンの借り換え効果。1,050万円でも33ヶ月分短縮できる削減効果に驚き!
手元に資金があるからこそ、気持ちにもお財布にも余裕を持って、住宅を買うことができました。
ゆとりある住宅取得プランを考えよう!
住宅を購入するとき、頭金は必ず2割ほど入れなければいけない、という決まりなんてないんです。
あたりまえなのに、あたりまえのことが書いていないことも多いものです。
- もともと頭金がなくても、無理なく買うことができる物件価格なのか。
- 収入にみあった買い物なのかどうか。
- 家を購入したあと、どういうライフスタイルを希望しているのか。
- あなた自身が、なににお金をかけて、どう生きていきたいのか。
「頭金2割を入れる・入れない」ということが重要なのではありません。
頭金をどうするか。
あなたや家族のためになる、お金の使い道を考えてみるいい機会かもしれませんね。
考えてもなかなか正しい答えが見つからないときもあるでしょう。
住宅ローンを徹底的に比較すると、見えてくることもありますよ!
無料で使える住宅ローンの一括比較サイトです。
各金融機関ごとに入力しなければいけない住所入力なども、ほとんど1度で済ませることができます。
あなた自身が、ゆたかに暮らせるお金の使い方を考えてみましょう!